【アレルギー】ドッグフードや運動など自宅でできるケア方法・病院での治療・原因など
ワンちゃんに長引く皮膚炎や下痢などがある場合、それは皮膚病や胃腸の病気ではなく、アレルギーの症状かもしれません。
このチェックリストでワンちゃんのアレルギー度をチェックしてみましょう。
- 耳が赤い、痒がる
- 手をよくなめる
- 口の周りが赤い
- 眼のふちが赤い
- フケが多い
- 抜け毛が多い
- 下痢や嘔吐が多い
- 体が全体的に赤い
- くしゃみがよく出る
チェックの個数が多ければ多いほどアレルギーの可能性が高くなりますので、心当たりのある飼い主さんは、すぐに対策をしてあげたいところ。
この記事ではワンちゃんのつらいアレルギー症状を、ドッグフードやシャンプーなどで自宅ケアする方法や、病院での治療について解説しています。
目次
【アレルギー対策】ドッグフードを見直そう ~体の中から整える
チェックリストで挙げた症状は、ワンちゃんの体内で起きる、食物や添加物に対する食物アレルギー反応が原因となっている可能性があります。
これはドッグフードに含まれるタンパク質や、炭水化物に対してアレルギー反応を起こすことによるもので、特にタンパク質は慎重に選ぶ必要があります。
「うちの子、食物アレルギーがあるかも?」と思ったら、食物アレルギーに配慮したドッグフードを選ぶようにしましょう。
それでも変化がない時は病院でアレルギー検査をしてもらいましょう。
【アレルギー対策】シャンプーや塗り薬について ~体の外側から整える
アレルギーがあるワンちゃんのシャンプーの選び方と、塗り薬でのケアの仕方について説明していきます。
アレルギーの子に適したシャンプーの選び方
犬用のシャンプーは、いろいろな種類があります。
アレルギーの症状に合わせて変える必要があります。
ワンちゃんの肌のpHは、アルカリ性です。これを保つのが皮膚の健康にとってはいいのですが、細菌が繁殖しやすいのもアルカリ性です。
犬の皮膚の常在菌(皮膚を健康に保つ有用な細菌)まで死滅しないようにするには、次のようなシャンプーを行いましょう。
- アルカリ性のシャンプーを選ぶ
- 細菌感染がひどいときは、アルカリ性 + 殺菌成分が入っているシャンプーを選ぶ
- 油っぽくべたべたしているときは、アルカリ性 + 脱脂用のシャンプーを選ぶ
- 皮膚炎があるなら1~2週間に1回程度洗う。ないなら月に1回程度洗う。
犬の肌は体温が高く、被毛で湿気がこもったり、皮脂や垢が溜まりやすいので、細菌が繁殖しやすい条件が揃っています。
その細菌がアレルゲンになりやすいので、シャンプーでのケアもしっかりと行ってあげましょう。
塗り薬(外用薬)でのケア
シャンプー以外で、対症療法的なケアは外用薬です。小さな範囲で痒みが出ている時には内服薬よりも外用薬がオススメです。
外用薬は舐めるので。。。と言う飼い主さんも多いのですが、そんな時は、お散歩に行く前に塗ってみましょう。
散歩で、歩くことに気を取られるので舐めるのを防ぐことができます。塗り薬の吸収は早いので、お散歩から帰るころには吸収されています。
また、お薬を塗った後に遊んであげるのも良いですね。
【アレルギー対策】それでも変化がない場合には病院へ!
それでも変化がない場合には、動物病院を受診しましょう。
アレルギー症状は長期間続くと病院での治療も長引いてしまいます。早期に検査をして対策をした方が、その後の治療が楽になります。
主な検査
【被毛検査】
内 容:被毛を抜き、毛の根元にすむ寄生虫の有無や毛の質を調べます。
検査費用:1,500円~
【そうは検査】
内 容:皮膚を引掻いて皮膚の中にすむ寄生虫を検査します。
検査費用:1,500円~
【セロハンテープ検査】
内 容:セロハンテープを皮膚の表面にある細菌などをとり染色して調べます。
検査費用:1,500円~
【アレルゲン特異的IgE検査】
内 容:血液検査を行い、食物、環境などを含むアレルギーの原因を調べます。
検査費用:15,000円~
【リンパ球反応検査】
内 容:食物アレルギー専用の検査です。陽性になった場合、その食べ物に対して異常に増殖するリンパ球が血液中に存在することを示します。
検査費用:35,000円~
ペット保険の適用
適応になります。
治療にかかる期間
約1週間~2カ月程度
アレルギーが起きてしまう原因は?
アレルギーはどのようにして起こるのでしょうか?
ドッグフードが合わない食物アレルギー
ドッグフードに含まれる添加物や、品質の悪い原材料、犬が消化しにくい炭水化物などに対してアレルギー反応が出ることがあります。
特に品質の良くない肉や、廃棄対象の副産物が含まれているドッグフードは要注意です。
ノミなどの外部寄生虫
ノミの唾液に対してアレルギー反応を起こし、激しい痒みが起こることがあります。これが引き金になって皮膚症状が悪化することもありますので、しっかり予防する必要があります。
皮膚につける塗り薬タイプや、内服薬など、さまざまな寄生虫の予防薬があります。1回投与すると1カ月間予防可能です。
免疫の問題
外部から侵入する遺物に対して過敏反応が起こるのは免疫のコントロールがうまくいっていないことが原因です。アレルギーを起こす犬もいれば、起こさない犬もいるのは、このためです。
アレルギーの原因になるものは、花粉や、食べ物などの身近なものが多いです。このようなものに対して過敏に反応してしまうのです。
犬種別:アレルギーケアのアドバイス
犬種によってアレルギー症状も異なります。アレルギーを起こしやすい犬種と特徴や対策をみていきましょう。
プードル
皮膚のアレルギーは少ない犬種ですが、涙やけのトラブルはよく起きます。品質の高い原材料を使用したドッグフードを選ぶなども有効な場合があります。また発症した場合には早めにドッグフードの切り替えや、動物病院でアレルギー検査を行いましょう。
チワワ
皮膚のアレルギーは少ない犬種ですが、涙やけのトラブルは起きやすいです。アレルギー、涙やけになりにくいフード選びが大切です。また発症した場合には早めにドッグフードの切り替えや、動物病院でアレルギー検査を行いましょう。
シーズー
原産地が中国で比較的涼しくカラッとした地域を好み、高温多湿の気候は苦手な犬種です。被毛が長いのでブラッシングを欠かさず、毛の中の湿度が上がらないようにしてあげましょう。除湿を心がけることで皮膚のトラブルは回避しやすくなります。
ミニチュアダックスフント
アレルギーを起こしやすい犬種です。皮膚のアレルギー症状がある場合は、ワクチンなどのアレルギーも注意が必要です。子犬のころから耳の痒みや、手の痒みが目立つ場合は早めに動物病院を受診してアレルギー検査を行いましょう。
パピヨン
皮膚のアレルギーは少ない犬種ですが、涙やけのトラブルは起こりやすい犬種です。品質の高いドッグフードを与えることで、トラブルをおこしにくくなる場合があります。また発症してしまった場合は、早めに病院を受診して、アレルゲンを特定しましょう。
マルチーズ
皮膚のアレルギーは少ない犬種ですが、涙やけのトラブルはよく起きます。品質の良いドッグフードを選ぶことでトラブルになりにくくなります。また発症してしまった際には動物病院を受診しアレルギー検査を行いましょう。
柴犬
アレルギーを起こしやすく、かつ悪化しやすい犬種です。子犬のころから耳の痒みや手の痒みが目立つ場合は、動物病院にてアレルギー検査を行いましょう。また、子犬のころから良質なドッグフードを与え、特にタンパク質の質と種類には気をつけておきましょう。
フレンチブルドッグ
アレルギーを起こしやすく、非常に悪化しやすい犬種です。特にアトピー気質は遺伝するので、血縁にアレルギー体質の犬がいる場合は、要注意です。子犬のころから、耳の痒みや手の痒みが目立つ場合は、早めにアレルギー検査を行ってください。また、子犬のころから、良質なドッグフードを与えるようにして、特にタンパク質の質と種類には気をつけましょう。
飼い主さんからよくある質問にお答えします
ドッグフードを選ぶときに良質なタンパク質を使用しているドッグフードや、おやつを選びましょう。
腸は最大の免疫器官なので腸内環境を整えておくことも、大切です。
正確な解答は見つかっていないのですが、多種多様な食べものや今まで食べたことがないような添加物を取り込むようになったのが原因ではないかと思われます。
アレルギー反応は反応の閾値(限界値)を超えると、目に見える形で起こります。単一のものばかり食べてアレルギー反応の閾値を越えることもあるので、適度に変更する方が良いと思います。
血液検査で、アレルゲンとなりうる身近な食べもの、草木、カビ、布、昆虫などに対するアレルギー反応の有無を調べます。金額は検査会社や、内容によりますが、15,000~60,000円程度です。
アレルゲンには個体差がありますので原材料を厳選できる点では手作り食が良いかもしれません。ただし必要な栄養バランスをとった食事を作るのは難しく、かなり知識が必要です。手軽に出来る方法としてアレルゲンができるだけ入っていないドッグフードを与えることをオススメします。その際、有害な添加物、質の悪いたんぱく質が入っているものは避けましょう。
残念ながらアトピー体質は遺伝すると言われています。血縁にアレルギー体質の犬がいることがわかっているなら、早めに血液検査で調べておくとよいでしょう。
涙やけはアレルギー反応の場合と、ドッグフード原材料のタンパク質の量と質が合わない場合、鼻涙管の以上の場合、目に異常がある場合などがあります。
化学肥料の成分が植物に取り込まれ有害物質になることもありますので、化学肥料を原則使わないオーガニックのドッグフードはアレルギーに良いと言えます。
シニアになると抵抗力、免疫力がおちてきますので、アレルギー反応がでやすくなります。
アレルギー体質はダイエットすることで軽くなる場合もあります。繊維分の多いドッグフードを選ぶといいでしょう。
まとめ
アレルギーは遺伝する場合もありますが、ドッグフードや、おやつの選択、環境の整え方などで対応できる場合もあります。
食べたもので体はつくられます。ドッグフードがワンちゃんに合っているのか、どのような品質なのかは、犬たちの体調が答えです。
犬の健康を第一に考えたドッグフードでしっかり健康のサポートをしてあげましょう。