【体臭・口臭・排泄物臭】ドッグフードやシャンプーなど家でできる対策と病院での治療!原因やなりやすい犬種も紹介
こまめにシャンプーをしてもすぐに臭くなってしまったり、定期的に掃除もしているのに、なぜか気になる臭いが・・・
室内で飼うことも増えたワンちゃん、常にそばにいるからこそ、臭いに悩んでいる飼い主さんも多いですね。
体臭、口臭、うんち・おしっこの臭いどれも気になります。臭いの原因とケアについて解説していきます。
目次
【臭いの原因】食事の見直し ドッグフードをチェック
ドッグフードを変えたら体臭がきつくなったという話をよく聞きます。実は体臭とドッグフードには密接な関係があるのです。
体臭とドッグフードの関係 ~タンパク質、脂質の品質
体臭の原因には、タンパク質系、脂質系、糖系などがあります。
この中で特に体臭が強くなるのがタンパク質系です。
タンパク質が分解されると、硫黄を含むアンモニアや硫化水素、アミン類などに分解され、この臭いが体臭にも影響します。
脂質は毛穴や皮脂腺の出口を詰まらせることがあり、詰まった皮脂は酸化し、脂肪酸やアルデヒドのような体臭成分を発生させます。
このような酸化の過程を繰り返し、ますます酸化が進むという悪循環が生じ体臭が強くなっていきます。
またタンパク質・脂質の量だけでなく、品質によっても体臭は左右されます。
副産物など低品質なタンパク源や、酸化した脂を使用しているドッグフードを与えていると体臭が強くなることもあります。
できるだけ良質な原材料を使用しているドッグフードを選ぶことがおすすめです。
ドッグフードを選ぶ際は、パッケージに原料が明確に記載しているものを選ぶと安心です。
口臭とドッグフードの関係 ~フードの形状
犬の口臭の原因は、歯垢、歯石、口の中の細菌、などです。
子犬の口は、歯垢や歯石がほとんどないため、臭いはさほど気になりません。
食べ物のカスと口の中の細菌によって、歯垢ができ、歯垢にカルシウムなどが結合して歯石になります。犬は約3~5日程度で歯垢から歯石に変化します。
歯垢や歯石にはたくさんの細菌が含まれており、歯肉に炎症を起こします。そして細菌から毒素が出ることで独特の口臭が起こります。
ドッグフードにはドライ・セミモイスト・ウエットなどさまざまな種類がありますが、口臭の軽減にはしっかり噛むことで、歯垢の沈着を抑え、歯石が形成しにくいドライフードや、しっかり噛んで歯石を除去しやすい形状のフードが適しています。
うんち・おしっこの臭いとドッグフードの関係
うんちとおしっこは食べたものの残りカスなので、食べたものの影響で臭いの強さが変わってきます。
食べた物が、消化吸収され、利用できなくなったカスが便として排泄されます。この原材料が良質なものであれば、さほど強い臭いの便は出ません。尿も同様です。
肉の副産物や、犬にとって消化しにくい原材料(トウモロコシや小麦などの穀物)、有害な添加物などが含まれているドッグフードは、消化不良などにより排泄物の臭いを強くしてしまいます。
◎良質な原材料を使用している
◎しっかり噛んで食べられるドライフード
◎消化吸収性に優れた原材料を使用している
水分量の見直し
飲水量が少ない場合、尿が濃くなることで尿臭が強くなることがあります。
ワンちゃんが自分でいつでも飲めるように、水を用意してあげましょう。
【臭い解消】シャンプーや歯磨きなどによる方法 ~体の外側からケア
シャンプー方法や、歯磨き方法、などについて解説していきます。
こまめなシャンプー
体臭は、皮膚や被毛についた汚れによる場合があります。
細菌、マラセチア、皮脂腺から分泌される脂の性状、などで起こります。
これらを落とすために、定期的にシャンプーを行ってあげましょう。
歯磨き、歯石除去
歯石によって口臭が強い場合は、歯石をこまめに取ってあげましょう。
自宅で完全に除去することは難しいので、動物病院でスケーリング(歯石除去)してあげてください。
歯石は細菌の巣窟です。細菌が炎症を起こしたり、毒素を排泄したりすることで口臭の原因になります。
また、歯石を除去した後に歯ブラシによる歯磨きや、歯磨きシートで歯の表面を拭くことで、歯石の再付着を防止するのも併せて行うとよいでしょう。
消臭効果のあるグッズ
ワンちゃんの気になる臭いがついてしまったら、以下のグッツで解消できます。
クエン酸・ミョウバン
クエン酸は室内の尿臭が気になるときに使用します。
ただし、濃度に気をつけましょう。濃度が薄ければ尿臭が残り、濃度が濃い場合はクエン酸の独特のにおいが残ります。
クエン酸は酸性で、尿臭の元のアンモニアはアルカリ性です。アルカリ性の尿に酸性のクエン酸をかけることで中和させ臭いの元を分解しています。
クエン酸の臭いが気になる場合は、後からミョウバン水で拭くと解消することが出来ます。
重曹
重曹は弱アルカリ性です。体臭は一般的に酸臭とも呼ばれており、弱アルカリ性の重曹を用いると中和され臭いが軽減されます。
ところが、アンモニアなどのアルカリ臭に対して用いても、中和されず臭いも減りませんので消臭したいものがアルカリ臭なのか酸臭なのかをしっかり見極めて使用しましょう。
ファブリーズ
ファブリーズを代表とする消臭剤は、酸臭にはアルカリをアルカリ臭には酸性の成分を用い中和させ、香りの成分で残り香をマスキングしています。
マスキング効果があるうちは室内に付いた排泄物の臭いや空間の臭いは緩和されますので一時的な抑制はあります。
木酢液
含まれる有機酸類やアルカリ成分で中和し室内を消臭します。
また、液独特の香り(燻香)で残り香をマスキングします。
消臭できますが液独特の香りが気になる場合は向かないかもしれません。
【臭いケア】こんなときには動物病院を受診
動物病院を受診した方がいい症状
次のような状態のときは、動物病院を受診して獣医師に相談しましょう。
- 歯石がたくさん付着している
- 体臭が強く、痒がったり、べたつきがひどい
- フケがたくさん床に落ちるような状態
- 尿の色が濃く、ツンとする臭い
- 発酵したような便の臭い
受診の際に持参したいメモ
受診の際には、以下のような情報をまとめておくと診断がスムーズです。
- いつからか?
- ドッグフードの種類や
- ドッグフードを最近変更をしたか
- シャンプーの頻度
- シャンプーの種類
- 歯磨きの有無
- 病歴
動物病院で行う診察・検査について
臭いが気になる部位や、症状によって、診察・検査は異なっています。
体臭の場合の診察・検査
- 全体を触る触診
- 抜毛検査、セロハンテープ検査など
- 問診(時期、程度、ドッグフードの銘柄、ドッグフードの変更の有無、シャンプー
- 受診歴、過去の病気など)
口臭の場合の診察・検査
- 口腔内検査(歯石の付着程度、歯肉炎の有無など)
- 歯石の付着がひどい場合はレントゲンを撮ることがあります。
便・尿の臭いの診察・検査
- 糞便検査
- 尿検査
考えられる病気
臭いが気になるとき、考えられる病気には次のようなものがあります。
- 細菌性皮膚炎
- マラセチア性皮膚炎
- 脂漏症
- 歯周疾患
- 歯石
- 消化不良
- 食物不耐性
- 食物アレルギー
- 膀胱炎
- 尿路結石
など。最悪の場合には命を落とす場合もあるので、自宅でのケアで改善しない場合には受診しましょう。
動物病院で行う治療とケアについて
内服薬の場合は体重によりますが、抗生剤と消炎剤を使用することが多いです。
細菌性皮膚炎・マラセチア性皮膚炎・脂漏症
抗生剤、抗真菌薬、抗ヒスタミン薬の投与を行います。
その他のアドバイス
適切なシャンプー
良質なドッグフード
歯石・歯周疾患
歯石除去、抗生剤や消炎剤の投与、デンタルケアを行います。
その他のアドバイス
歯みがきの方法
ドライフードメインの食事への変更
排泄物の臭い
整腸剤、下痢止め、抗生剤、尿酸化剤などを処方されます。
その他のアドバイス
ドッグフードの変更
治療にかかる期間・費用
体臭:約1カ月、5,000円程度です。
口臭:歯石除去は費用15,000円~(血液検査は別)
ペット保険について
体臭や口臭、排泄物の臭いについては原因によっては適用になります。
歯みがき粉やシャンプーなどは対象外です。
※ペット保険は会社によって若干異なります。事前に調べておくとよいでしょう。
臭いの原因は?
ワンちゃんの臭いの原因は、ドッグフードの品質と密接な関係にあります。これをもう少し詳細に見ていきましょう。
体臭の原因
体臭の原因で多いのは、ドッグフードに含まれるタンパク質の種類や量によるものです。
タンパク質の質が悪く量が多いと、分解の結果発生するアンモニアの量が多くなり、これが体臭の原因になります。
また、皮脂腺からの分泌物が多かったり、シャンプーの頻度が少なくても多くても、皮膚のコンディションが悪くなってしまいます。
そのため細菌やマラセチアの繁殖が起き、細菌が出す毒素の臭いが体臭となります。このような状態を放置すると炎症がさらに進み、病気の見落としにもつながります。
たかが体臭と思わず対処していくことが必要です。
口臭の原因
歯垢や歯石にはたくさんの細菌が含まれ、この細菌が歯肉に炎症を起こさせます。細菌から毒素が出ることで、独特の口臭が起こります。
歯石の付着を放置すると、歯肉が退行してしまい、歯が抜けてしまったり、目の下から膿が出たり、時には炎症から口の中に腫瘍ができてしまうこともあります。
ドライフードを選ぶことで歯垢が付着しにくくなり、口臭を抑えることができます。
口臭で悩んでいて、ウェットタイプのドッグフードを与えているなら、ドライに変更することで解消する場合があります。
うんち、おしっこの匂いの原因
排せつ物の臭いは、粗悪な原材料を使用しているドッグフードがもとで起こるものです。
尿の臭いが強い場合は、膀胱炎や尿路結石などの病気や、飲水量の減少などが原因のこともあります。
それ以外に、ドッグフード中のタンパク質が分解された結果アンモニアになり、これが代謝されて尿酸と言う形で排泄され、臭いにつながることがあります。
これはドッグフードに含まれるタンパク質の質によるところが大きな要因になっています。
ストレスが原因になっている臭い
ストレスも臭いと関りがあります。
ストレスや緊張は、人間と同様に犬でも抵抗力を下げる原因になります。
体全体のコンディションが悪くなり、細菌感染をはじめとする感染症になり、体臭や、口臭につながることがあります。
ストレスを溜めないよう適度な運動や散歩、コミュニケーションをとってあげましょう。
犬種別:臭くなりやすい犬種となりにくい犬種
犬種と臭いの間には関係性があり、一般的にシングルコートの犬は体臭が少なく、ダブルコートは体臭が強くなりやすいと言われています。
ワンちゃんの毛の構造は、二重になっていて、柔らかくて綿毛のようなアンダーコートと、硬くて太いオーバーコートがあります。
シングルコートと呼ばれるワンちゃんはアンダーコートが少ないタイプの被毛をもっている。
ダブルコートは、アンダーコートもしっかりある二重構造タイプの被毛をもっている。
他にも、垂れ耳の犬種や、短頭種のように鼻が短く顔にしわが多い犬種も臭いが強くなります。
臭いが強い犬種:コーギー、ゴールデンレトリバー、柴犬、パグ、アメリカンコッカ―スパニエル、シーズーなど
臭いが少ない犬種:プードル、マルチーズ、チワワなど
臭くなりやすい犬種の特徴
ダブルコートの犬種は、毛量がシングルコートに比べて多く、通気性が悪いため、細菌繁殖しやすく臭いが強くなってしまいます。
コーギーや柴犬
アンダーコートが密で湿気がこもりやすく、細菌繁殖しやすいため臭いが強くなります。
ゴールデンレトリバーやアメリカンコッカ―スパニエル
垂れ耳で、耳の通気性が悪く、細菌繁殖し外耳炎になりやすいため耳が臭いやすいです。
シーズー
もともと寒冷地に住む犬なので、高温多湿の日本は気候的に向いておらず、細菌繁殖しやすく、マラセチアが繁殖すると更に臭いがきつく出ます。
臭いの少ない犬種の特徴
シングルコートという主毛だけ生えていて、綿毛のようなアンダーコートがほとんど生えていない犬種は、臭いも少ないといわれています。
通気性が良く細菌繁殖しにくいため、臭いも少ない傾向になります。
臭いの悩みによくある質問Q&A
緑茶に含まれるカテキンやフラボノイドが臭いを吸着し口臭が軽くなるので人間の口臭対策に良いとされていますが、ワンちゃんにはあまりおすすめできません。カフェインやカテキンは蓄積すると中毒症状を起こしてしまいます。また、緑茶に含まれるシュウ酸という成分は結石を作る原因にもなります。ワンちゃんに与えるのはやめましょう。
アレルギーで悩んでいたり、体臭が強い、お腹の調子が悪いなどの改善のためにと、手作り食を検討する方が多くいらっしゃいます。メニュー的には問題がなくても、犬の栄養要求量と人の栄養要求量は全く異なりますので、特に微量元素(ビタミン・ミネラル)などが不足しがちにります。専門知識がないままの手作りフードはワンちゃんにとって栄養不足になることもあるので、あまりおすすめできません。
生肉を食べたからと言って体臭が減るわけではありませんので、あまりお勧めしません。生肉も少量なら良いのですが、消化不良を起こすこともあります。与えても問題がないのは新鮮なものに限ります。また、寄生虫がついていることもあるので注意が必要です。
特に出血量が多い場合は陰部の周りにつき、余計に臭いますので、お尻周りの毛を短くカットしたり、マナーパンツをはかせてこまめに取り換える、1日に1回はお尻周りを洗うなどして清潔に保ってあげてください。
特に腎不全になると毒素の排泄ができなくなっていきますので、病気の進行に合わせてアンモニア臭くなります。アレルギーの際は皮膚を痒がり掻くことで細菌の二次感染が起こり、臭いが強くなります。臭いを注意することももちろんですが、ワンちゃんの様子が日頃と違っていないかなど、気にしてあげましょう。
自分のペットの臭いはとかく分かりにくいものです。どうしても臭いはつくものなのですが、服のある部屋にペットは入れないようにするのも一つの方法です。また脱臭機能付きの空気清浄機もおすすめです。それでもペットの室内の臭いは中々消えないもの、消臭剤やペットのシャンプー、ペットの使う道具のお掃除などをまめにしていきましょう。
結論
ずっと一緒にいる愛犬の臭いが気になったら、まず臭いが出ている部位を確認して自宅のケアや病院での治療などで解消していきましょう。
またドッグフードの見直しも一つのケア方法です。与えているドッグフードについても確認してみましょう。