犬にも五月病はある?原因と症状・予防と対策とは?
5月と言えば、年始からの頑張りで心身ともに疲労がたまり、ゴールデンウェークを過ぎたころから、発症しやすい五月病にかかってしまう方もいますよね。年々増えている私たちの心の病。
私たちと同様に心を持ち、人間に近い存在である犬にも、五月病や精神疾患は存在するのでしょうか?動物看護士が犬のうつ病の原因や予防について解説します。
犬にも心の病は存在します!発症率の高い「常同障害(じょうどうしょうがい)」とは?!
犬にも心があるため、うつ病などの精神疾患は存在します。五月病というものではありませんが、犬に多く見られる精神疾患は、「常同障害(じょどうしょうがい)」という病気です。これは、強いストレスや不安が原因で発症する病です。
うちのわんこは大丈夫?常同障害(じょうどうしょうがい)に多くみられる9つの症状
以下のような症状が愛犬にある場合には、常同障害を発病している可能性があります。
- 同じ場所を何度も行き来する
- 自分の尾を追い回す
- 自傷行為(自分の足を噛むなど)
- 異様に体を舐める(皮膚炎になる場合もあります)
- 無駄吠えをする
- 攻撃的になる
- 粗相をする
- 食欲の低下
- 下痢や嘔吐
愛犬にこれらの項目が複数当てはまる場合、常同障害を発病している可能性があります。症状がひどい場合には、動物病院の受診が必要です。
こんなことが実はわんこには大きなストレス!?常同障害になる原因はコレ!
常同障害の原因はストレスにあります。では、わんこにとってどのようなことがストレスにつながるのでしょう。犬にとってストレスの原因になる代表的な例をピックアップしました。
- 継続的な疾患やケガによる痛み
- 狭い場所で長時間生活させられる
- 安心できる場所がない
- 引っ越しなどの環境の変化
- 飼い主とスキンシップが取れない
- 朝夕の変化が分からない環境での生活
- 栄養バランスが悪い
- 散歩に連れて行かない
- 新しい家族(ペット)を迎えた
このようなことが、犬にとっては大きなストレスになることがあります。愛犬家は、犬が極力ストレスを溜めない環境作りを心掛ける必要があります。
愛犬が心の病にかかってしまったら!?対策と予防法
常同障害を含めたストレス疾患の予防や改善には、まず、なにがその子にとってストレスになっているか原因を突き止めることが重要です。
症状がひどい場合には、獣医によって精神安定剤などの薬物治療を行います。しかし、副作用や依存性もあるため、犬の体に大きな負担がかかります。また、ストレスの原因を突き止め、改善しない限りいくら治療をしても、根本的に解決することはできません。
どんな小さな小型犬でも「散歩」は必要!
室内犬の場合、散歩に連れて行かない飼い主も多くいるようですが、これは間違いです。散歩に連れていくことは、愛犬にとってストレス発散になります。いくら体の小さな小型犬であっても、広い外を走り回ることのできる環境は必須です。
また、日光を浴びることで、抗ストレスホルモンが分泌されます。毎日散歩をして、適度な運動や日光浴をすることは、愛犬の心身を健康に保つために欠かせません。
ご飯は良質なものを決まった時間に与える
「ドッグフードは安くて量の多い物を選んでいる」や「エサは1日餌箱にたくさん入れておく」などといった選び方、与え方をしていませんか?この給餌法では、きちんとした栄養がとれないことや、1日の体内リズムが乱れてしまい良くありません。
安価な商品には粗悪な材料を使用しているフードも多く見られます。粗悪な肉や、必要な部分をとったあとの残りの部分を使用した野菜など。このような材料を与え続けていると、必要な栄養を補うことができないため、心身に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
しっかりとしたドッグフードを選ぶようにして下さい。
参考ページ:
人気フードを厳選!おすすめしたい安心・安全なドッグフード7選
飼い主とわんこのスキンシップは重要!
犬は元々群れで生活しているため、リーダーに気に入られようと一生懸命愛嬌を振るいます。そのため、人に構ってもらったり、ほめてもらうことが大好きです。毎日家族と触れ合うことは、愛犬のストレス発散はもちろん、体調チェックにも欠かせません。
ケージは風通しや日当たりが良く、人が良く行き来するリビングなどに配置しましょう。また、忙しくても短時間でも良いので、毎日褒めたり話しかけたりして、スキンシップをとることが、愛犬の心の健康を保つ秘訣でもあります。
犬にも五月病はある?まとめ
犬に五月病はありませんが、ストレスによる精神疾患は存在します。ストレスによる疾患のサインとしては、自傷行為や異様に体の一部を舐めるという行為などが挙げられます。
治療には、愛犬にとってなにがストレスになっているのか原因を突き止め、改善することが必要です。そのため、愛犬家は毎日愛犬の健康状態をチェックすることが必要です。
犬という生き物は、飼い主である人間と近い存在にあり、毎日の触れ合いが大切です。そのため、放っておかれたり、不安な状態が長く続くと、心を病んでしまいます。愛犬家は、犬にもしっかり心があることを理解して愛犬と向かい合うことが大切です。
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青山ケンネルカレッジ 動物看護学科卒業。愛玩動物介護士、愛玩動物救命士、愛玩動物搬送士の資格を持ち、動物病院、フレンドアニマルメディカルセンター、ペットショップ、動物園等での勤務経験多数。飼い主さんと猫ちゃんの幸せで安心な暮らしのために、情熱を込めてライター活動を行っています。